『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(えいがドラえもん のびたのえせかいものがたり)は、2025年3月7日に公開の日本のSFアニメーション映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、「映画ドラえもん」シリーズ通算第44作目(アニメ第2作2期シリーズ第19作目)である。監督は寺本幸代、脚本は伊藤公志が務める。「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念作品。
キャッチコピーは「みんなの色で、世界はあざやかになる」。
登場人物
レギュラーキャラクター
- ドラえもん
- 声 - 水田わさび
- 野比 のび太(のび のびた)
- 声 - 大原めぐみ
- 源 静香(みなもと しずか)
- 声 - かかずゆみ
- 剛田 武(ごうだ たけし)
- 声 - 木村昴
- 骨川 スネ夫(ほねかわ すねお)
- 声 - 関智一
- 野比 玉子(のび たまこ)
- 声 - 三石琴乃
- 野比 のび助(のび のびすけ)
- 声 - 松本保典
ゲストキャラクター
- クレア
- 声 - 和多田美咲
- 本作のキーパーソン。謎の国アートリアから来た少女。
- マイロ
- 声 - 種﨑敦美
- アートリア公国に住む少年で、アートリア城の宮廷画家の息子。クレアの幼なじみ。
- チャイ
- 声 - 久野美咲
- 羽の生えた小さな悪魔。
- パル
- 声 - 鈴鹿央士
- アートリア公国の美術商人。
- アートリア王妃
- 声 - 藤本美貴
- アートリア公国の王妃。4年前に行方不明になった娘を探し続けている。
- アートリア王
- 声 - 伊達みきお
- アートリア公国の王。
- 評論家
- 声 - 富澤たけし
- 現代で発見された謎の絵画について解説する評論家。
- イゼール
- 声 - 石井康嗣
- ソドロ
- 声 - 山路和弘
- ミノタウロス
- 声 - 拝真之介
- 店の女性
- 声 - 久保田ひかり、松井暁波
- 門番
- 声 - 井口祐一
- 現場監督
- 声 - 田島章寛
- 猫
- 声 - 木村珠莉
- 司会者
- 声 - 天月
設定
- アートリア公国
- 謎の絵画に描かれた、中世ヨーロッパ(13世紀の中世盛期)にある公国。
- アートリアブルー
- アートリア公国のどこかに眠っている幻の宝石。輝く不思議な青色を作り出すことが出来るため、現代ではダイヤモンド以上の価値があるとされる。
登場ひみつ道具
この作品に登場するひみつ道具を記述する。
- タケコプター
- はいりこみライト
- メガネ型年代測定器
- 水ビル建築機
- 水加工用ふりかけ
- 水もどしふりかけ
- タイムてぶくろとめがね
- きせかえカメラ
- グルメテーブルかけ
- イメージベレー帽
- スペアポケット
- とうめいマント
- 糸なし糸でんわ
- パトボールとモニタ
- 無生物さいみんメガホン
- かるがるつりざお
- ころばし屋
- ヒトマネロボット
- グッスリロングまくら
- 万能わな
- ひらりマント
- 空気砲
- ショックガン
- 瞬間接着銃
- 本物クレヨン
- モーゼステッキ
- バショー扇
- ノビール水道管
スタッフ
音楽
オープニングテーマ
- 「夢をかなえてドラえもん」
- 歌 - mao / 作詞・作曲 - 黒須克彦 / 編曲 - 大久保薫 / コーラス - ひまわりキッズ(日本コロムビア)
- オープニングテーマとして起用されたのは『のび太の月面探査記』(2019年)以来6年ぶりとなる。
主題歌
- 「スケッチ」
- 歌・作詞・作曲 - あいみょん(unBORDE/Warner Music Japan)
- 編曲 - 立崎優介・田中ユウスケ
- 女性ソロアーティストが主題歌を担当するのは『のび太の宇宙英雄記』(2015年)以来10年ぶり。
- 映画クレヨンしんちゃんシリーズと映画ドラえもんシリーズの主題歌を両方担当するのはmihimaruGT、ゆずに続き3例目であり、先に『クレヨンしんちゃん』の主題歌を担当し、後に『ドラえもん』の主題歌を担当するのは初となる。
挿入歌
- 「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」
- 歌・作詞・作曲 - あいみょん(unBORDE/Warner Music Japan)
- 編曲 - Book Blanket・立崎優介・田中ユウスケ
サウンドトラック
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語 オリジナル・サウンドトラック』を2025年3月5日に発売。全47曲収録。
製作
企画・スタッフィング
監督は『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(2013年)以来、12年ぶりに寺本幸代が登板。本作で寺本は声優交代後のアニメ第2作2期シリーズでは初となる、4作目を手掛ける監督となった。
脚本はテレビアニメ『ドラえもん』の脚本を数多く手掛ける伊藤公志が、映画シリーズ初参加で担当する。
キャラクターデザインはこれまでテレビ・映画シリーズの作画監督・原画等を手掛けてきた山下晃が初登板。『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(2023年)の小林麻衣子、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(2024年)の河毛雅妃に続き、『パロルのみらい島』(2014年、若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2014」作品としてシンエイ動画が制作)に当時「若手原画」として参加したアニメーターが、3作品連続でキャラクターデザインを務める。
美術監督は『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(2020年)に背景美術として参加していた友澤優帆(コミックス・ウェーブ・フィルム)が初担当する。
シナリオ・セッティング
「絵を題材にした作品」というオファーを受けた寺本(監督)は、伊藤(脚本)らと共にストーリーを形作っていった。その過程でドラえもんのひみつ道具「絵本入りこみぐつ」のように「絵の中の世界でいろいろできたら面白いんじゃないか?」というアイディアが切り口となり、そこにこれまで『映画ドラえもん』であまり舞台になっていない中世ヨーロッパの雰囲気がミックスされていった。 しかし中世ヨーロッパを題材にした作品は少なく資料にも限りがあったため、『映画ドラえもん』の制作では異例となる海外ロケハンを行い、イタリアの各地を取材。本作の舞台「アートリア公国」のモデルとなった。
また、寺本によると東京藝術大学の先生に取材し、アートの知識などもできるだけ入れ込んだとしており、「絵を題材にしている作品なので、絵の具を作ったり、絵に関する描写がいろいろありますが、そういうところには結構こだわって細かく作りました」と語っている。
発表
興行成績
2025年3月7日に公開され、7日~9日の金土日3日間で興収7億0300万0000円、動員57万1000人となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位を獲得。
ノベライズ
- 小説 映画ドラえもん のび太の絵世界物語(ISBN 9784092315044)
- 小学館ジュニア文庫、2025年2月7日発売(新書判)
- 原作 - 藤子・F・不二雄 / 著・脚本 - 伊藤公志 / 監督 - 寺本幸代
- 『映画ドラえもん のび太の月面探査記』(2019年)の辻村深月、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(2024年)の内海照子と同様、映画の脚本家が自ら小説版を執筆した。
- コロコロよみもノベル 映画ドラえもん のび太の絵世界物語(ISBN 9784092898103)
- 小学館、2025年3月5日発売(A5判)
- 原作 - 藤子・F・不二雄 / 文 - 伊藤公志 / 絵 - 坪井裕美
- 『コロコロよみもノベル』の創刊第1弾として発売。挿絵は『おはなしドラえもんえほん』シリーズを手掛けてきた坪井裕美。『月刊コロコロコミック』2025年3月号に別冊ふろくとして序盤の44ページが掲載された。
プロモーション
入場者プレゼント
- 小冊子「映画ドラえもん のび太の絵世界物語『いろいろ!まんがBOOK』」を配布。
前売り特典
- 2024年12月13日に発売を開始した映画前売券の特典として10万名にラバーキーホルダー「わくわく!お絵かきドラ」を配布。
テレビシリーズ
- エンディング
- 2025年1月4日放送回からは、エンディングテーマが映画主題歌『スケッチ』に変更され、予告編映像を使用したものとなった。
- ドラガオじゃんけん
- 2025年1月4日放送回から、映画の衣装を着たドラえもんがじゃんけんを担当。2025年3月1日放送回は鈴鹿央士が出演し、じゃんけんを行った。
関連イベント
- シリーズ45周年記念!映画ドラえもんまつり
- 映画シリーズ45周年を記念して、歴代作品を劇場で楽しめるスペシャル企画。これまでに公開された全43作品のうち、投票で選ばれた6作品が2025年1月17日から2月6日にかけて、全国93館の劇場で期間限定上映される。2024年9月27日から10月31日まで投票を受け付けた。
- 投票の結果選ばれた6作品は:
- 2025年1月17日から1月23日の上映:
- 映画ドラえもん のび太と雲の王国(1992年公開)
- 映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(2013年公開)
- 2025年1月24日から1月30日の上映:
- 映画ドラえもん のび太と銀河超特急(1996年公開)
- 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(2023年公開)
- 2025年1月31日から2月6日の上映:
- 映画ドラえもん のび太のワンニャン時空伝(2004年公開)
- 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団(2011年公開)
- この中で『のび太と雲の王国』、『のび太と銀河超特急』、『のび太のワンニャン時空伝』はデジタルリマスター版として初上映となる。
- あったらいいな!絵にまつわるひみつ道具絵のコンクール
- 映画シリーズ45周年を記念して、絵にまつわるひみつ道具を募集したイラストコンテスト。最優秀賞は応募先共通で映画のエンドロールに名前が登場され、映画パンフレットに応募作品と名前が掲載されるほか、映画パンフレットと『大長編ドラえもん』のセットが、優秀賞は応募先によって別々の商品がプレゼントされる。
- 「ドラえもん、のび太たちが大活躍する物語」を自由に書こう!物語のコンクール
- 映画シリーズ45周年を記念して、物語を募集したコンテスト。最優秀賞と優秀賞は共通で映画公式サイトとパンフレットに応募作品と名前が掲載されるほか、映画パンフレットと『100年大長編ドラえもん』全17巻セットが、最優秀賞は映画のエンドロールに名前が掲載される。
- 物語を募集したコンテストは『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』の映画化記念として『月刊コロコロコミック』で行われたコンテスト企画『チャレンジ・ザ・ドラえもん』以来であり、募集形式も「400字詰め原稿用紙5枚」と同様になっている。
- ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵世界物語~
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで2025年2月14日から8月17日の期間限定で同作品公開記念の4Dアトラクション。4Dアトラクションオリジナルのひみつ道具が登場。3D映像×振動など特殊効果の融合により、超リアルに再現された。
- 映画ドラえもんシリーズとユニバーサル・スタジオ・ジャパンがコラボするのは、『のび太の新恐竜』、『STAND BY ME ドラえもん 2』、『のび太と空の理想郷』に続く4回目となる。
- ドラえもん映画祭2025
- 映画シリーズ45周年を記念して、2025年2月1日から3月6日までの期間中、「ドラえもん映画祭2025」が東京・神保町シアターで開催。『のび太の恐竜』(1980年)から『のび太の地球交響楽』(2024年)までの43作品と、当時同時上映された併映作の13作品を上映する。
特別番組
- 『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』公開直前! サンドウィッチマンとみんな大好き『映画ドラえもん』スペシャル
- 2025年3月2日、テレビ朝日系列(一部地域を除く)朝10時 - 11時の枠で放送。
脚注
注釈
出典
関連項目
- ドラえもん映画作品
- アニメーション映画
外部リンク
- 『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』公式サイト




