智賀都神社(ちかつじんじゃ)は、栃木県宇都宮市徳次郎町にある神社。近代社格制度に基づく旧社格は郷社。徳次郎六か郷(徳次郎町)の鎮守であり、社名の智賀都(ちかつ)は鎮座地の名「千勝森」(ちかつのもり)に由来する。

宝亀9年(778年)に日光二荒山神社を勧請して創建したと伝えられる。主祭神は大巳貴命(おおなむちのみこと)で、田心姫命(たごりひめのみこと)と味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)を合わせて祀る。五穀豊穣、家内安全、無病息災に利益があるとされる。江戸時代には徳川氏の崇敬を受け、社領5石の寄進を受けた。

祭事

例祭は毎年8月1日に催行される。この附祭(つけまつり)として、徳次郎六か郷がそれぞれ1台ずつ彫刻屋台(山車)を運行し、智賀都神社に集結する催事が3年に1度行われる。直近の附祭は「智賀都神社夏祭り」として2019年(令和元年)7月26日に宵祭(よいまつり/前夜祭)、7月27日に本祭が催行された。

附祭は7月31日に宵祭、8月1日に例大祭として行われていたが、第二次世界大戦による中断をはさんで1946年(昭和21年)に復活し、5 - 10年に1度という不定期催行の時代を経て、1976年(昭和51年)にふるさと宮まつりへ参加したことを契機に3年に1度の定期開催に至り、2004年(平成16年)より7月の最終金曜日(宵祭)・土曜日(本祭)へ変更された。屋台は各郷を19時に出発し、郷内を一巡して日光街道を通って神社を目指す。すべての屋台が神社境内に到着すると、「ぶっつけ」と呼ばれる囃子の競演が行われ、祭りは最高潮に達する。8月1日に本祭を行っていた頃は、ぶっつけは8月2日へと日付の変わる0時に始まり、露店や持ち寄ったご馳走を楽しみながら夜を明かし、明け方に囃子を奏でながら屋台は各郷へ戻っていった。

ここで運行される屋台は、幕末から明治時代にかけて下都賀郡富田村(現・栃木市大平町富田)の磯邊敬信(いそべけいしん)らが彫刻したものである。徳次郎町の各郷が保有する全6台の屋台は、「徳次郎智賀都神社祭礼付祭屋台」の名で宇都宮市指定有形民俗文化財(1989年12月20日)に指定されている。

このほか歳旦祭(1月1日)、節分(2月3日)、祈年祭(2月18日)、新嘗祭(11月26日)、冬渡祭(12月14日)が行われる。

ケヤキ

智賀都神社の鳥居の両脇に生えるケヤキは、2本とも樹高約40 mの巨木で栃木県指定天然記念物である。栃木県の天然記念物指定日は1954年(昭和29年)9月7日で、指定上の名称は単に「けやき」である。1989年(平成元年)6月15日には、「徳次郎のけやき(2本)」の名称で「とちぎの名木百選」に選定された。

東側の株は目通り周囲長(目線の高さでの周囲長)が約8 m、枝張りは東西方向に約26 m、南北方向に約44 mで、西側の株は目通り周囲長が約7.3m、枝張りは東西方向に約23m、南北方向に約37 mである。樹齢は約700年と推定され、樹勢は衰えつつあり、幹の下部は空洞になっている。1994年(平成6年)に樹勢回復措置が取られた。

なお神社から北西に約500 m離れた地点に「上徳次郎のケヤキ」(宇都宮市指定天然記念物)と呼ばれるケヤキの巨木があり、樹齢は同程度であることから、智賀都神社のケヤキの「兄弟」と伝えられている。

交通

自動車利用の場合、宇都宮市街から日光街道(国道119号)を北上し、徳次郎交差点からさらに北へ800 m進んだところに位置する。ただし神社に駐車場はない。

公共交通機関利用の場合、JR宇都宮駅から関東自動車で日光方面行きに乗車、晃陽中前下車、徒歩約1分。

脚注

参考文献

  • 塙静夫『うつのみや歴史探訪 史跡案内九十九景』随想舎、2008年9月27日、287頁。ISBN 978-4-88748-179-4。 
  • 栃木県歴史散歩編集委員会 編『栃木県の歴史散歩』山川出版社〈歴史散歩⑨〉、350頁。ISBN 978-4-634-24609-6。 

関連項目

  • 栃木県の神社一覧

外部リンク

  • 智賀都神社 - 宇都宮市教育センター

智賀都神社

智賀都神社夏祭り|2019年 夏祭りイベント情報(栃木) amAtavi

智賀都神社 宇都宮市/栃木県 Omairi(おまいり)

徳次郎智賀都神社祭 2019 YouTube

智賀都神社(栃木県宇都宮市徳次郎) ご利益散歩 ~備忘録~